ベチベルライフ コラム

臭いについての対処法や、ホテルや旅館などの様々な場面に合わせた消臭方法をご紹介しています。

消臭剤・アロマについて

合成界面活性剤、石油系合成界面活性剤について

petroleum-synthetic-surfactant

合成界面活性剤の中でも石油系合成界面活性剤は「人体に有害で環境を破壊する」と言われています。
石油系合成界面活性剤はどのような効果が得られて、どのような害が考えられるのか?解説しています。

界面活性剤は体に毒!?

界面活性剤、特に合成界面活性剤は体に悪い影響があるという説が広まっています。
人間の皮膚は皮脂膜で有害な物質の侵入を防ぐようにできていますが、相容れない物質を親和させる作用を持つ界面活性剤は、皮脂膜や角質層を通り抜けて人体の血管に侵入して、全身に広がります。
しかし、人体を形成している細胞には元からレシチンなどの界面活性剤が存在し、細胞中の老廃物を血液中に溶けやすくして、排泄するといった働きをしています。このことからも分かるように、界面活性剤は、人体には欠かせない物質なのです。

合成界面活性剤が悪影響を及ぼしてきた

なぜ「界面活性剤=悪影響」という考えが世の中に広がったのでしょうか? これは石油系合成界面活性剤が、石けんなどの天然系合成界面活性剤に比べて皮膚に対する高い浸透性を持っているにも関わらず、洗浄力を重視して高濃度に使用されてきた歴史があるからだと言われています。
過去には、汚れを落とす作用を追求するあまり、一部の石油系合成界面活性剤を高濃度で使用したため、肌荒れを起こしたり、体内に侵入して悪影響を及ぼしたこともあるようです。
人間の肌表面には角質層があり、外部の刺激から肌を守るバリア機能を持っています。外部からの異物の侵入を防ぎ、肌に必要な水分を蒸発から守る機能です。
界面活性剤は肌に残るとこの角質層を少しずつ破壊してしまいます。水でしっかり洗い流すことができればいいのですが、一部石油系界面活性剤は肌に留まる力が強く、その影響が避けられないと言われています。
しかし近年では、過去の事例を生かして、洗浄力と同じくらいに安全性や低刺激性が重要視されるようになりました。もちろん、人体への影響をゼロにすることはできませんが、悪影響をできるだけ与えないように合成界面活性剤は進化しているのです。

合成界面活性剤が使われている理由

そもそも、なぜ合成界面活性剤が広く使われるようになったのでしょうか? 高濃度で使用すると肌荒れを起こすなど、人体への影響が大きいとも言われている合成界面活性剤ですが、その反面、天然界面活性剤に比べて大きな洗浄効果を持ちます。
天然界面活性剤は充分な洗浄効果が得られないものが多くあるため、科学的な合成をして、洗浄効果の高い合成界面活性剤が作られたのです。
また、石油系合成界面活性剤は安くて大量に生産することができるため、市販のシャンプーや洗剤など、価格の安い商品に多く使われているのです。

合成界面活性剤といっても、天然素材が原料となっているものや、石油やアルコールなどが原料となっているものなどさまざまです。
「天然」、「植物由来」など、パッケージに踊るイメージの良い言葉だけを見るのではなく、ひとつひとつの成分を吟味して賢く商品を選ぶことが、安全を求める上で大事なことになります。