ベチベルライフ コラム

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天然植物抽出物と植物由来成分の特徴

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肌や環境にやさしいイメージを持つ「天然」、「植物由来」などといった言葉はどのような意味を持つのでしょうか?
今回は、天然植物抽出物と植物由来成分についてご紹介します。

天然植物の力を活用

自然界に存在する植物には、様々な作用を持つものがあります。
例えば、大豆に含まれるレシチンは天然の界面活性剤として働きます。レシチンは人間の細胞にも元々含まれている物質で、血管内にこびりついた悪玉コレステロールを溶けやすくするなど、人体に欠かせない物質であり、他の合成界面活性剤と比べて毒性は低いものとされています。
こうした植物の力を活用するために、植物の葉や根、茎、果実や種子、樹皮などから成分を抽出。これを、天然植物抽出物と言います。

抽出、精製はエキスの特徴にあわせて

天然植物抽出物は、加熱、減圧、遠心分離、凍結、乾燥など、さまざまな方法で抽出されます。
「肌に優しそう」、「安全そう」などのイメージから、近年合成物質より好まれる傾向にありますが、全てが安全であるとは限りません。
例えば、うるしの成分に触れれば多くの人はかぶれてしまいます。害になる植物抽出物も自然界には多く存在しているのです。
また、天然植物抽出物は合成物質に比べると、作用が穏やかで効果が低い傾向にあります。化粧品などに使用される天然の防腐剤は、合成のパラベンなどに比べて効果が低い傾向にあり、正しく保管されない場合、変質して肌に悪影響を与えてしまう場合があるのです。
「天然だから安心」、「植物だから肌にやさしい」と決めつけずに、きちんと成分を確認して自分体に合うのかどうかを考えて使用しましょう。

植物由来成分とは?

近年、化粧品やシャンプーなどのパッケージでよく目にする「植物由来成分」。実はこの「植物由来成分」には基準や定義が定められていないのです。
一般的には身近にある草木や野菜、薬用植物などを皮膚科学的に見て、優れた効果を持つ植物から生まれた成分だと言われています。

一般に化粧品などの商品に植物由来成分が使われる場合、同じ作用を持つ合成物の代替であることが多いようです。
植物由来成分のものは、石油系のものが登場する前に、古くから使われているオリーブ油などを始め広く好まれてきました。
しかし技術の発達に伴い、人の手で改良を加えた石油系合成界面活性剤が台頭してきました。石油系合成界面活性剤は比較的安く大量に生産ができ、天然由来のものより洗浄力などで高い効果を発揮するため活用されるようになりました。

その内に石油系合成界面活性剤は、植物由来のものに比べて皮膚への浸透性が高く、高濃度で使用すると人体へ影響を及ぼす可能性があると言われ始めました。そのため、合成物の代替として植物由来成分が再び注目され始めました。
例えば、鉱物油の代わりにオリーブオイル、ホホバオイルなどを使ったり、タール系色素の代わりにベニバナ、クチナシなどの色素を使ったりという場合があります。
石油系合成界面活性剤の使用を避けるために、保湿剤として大豆イソフラボンや植物性グリセリンが使われている場合もあります。
これらは好物油、タール系色素、石油系合成界面活性剤などの毒性が広く一般的に認知されるにつれて増えてきたケースです。
ただし植物由来成分だからといって「植物由来=安全、安心」と言い切ることはできません。植物の中にも強い毒性を持つものや、アレルギー反応を引き起こすものがあります。
正しい知識を持って自分の体に合う商品を選択、使用することが大切だと言えます。