ベチベルライフ コラム

臭いについての対処法や、ホテルや旅館などの様々な場面に合わせた消臭方法をご紹介しています。

消臭剤・アロマについて

消臭剤の話の前に… そもそも「におい」とは何か

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色も形も見えないのに、人間が感じる不思議な刺激、「ニオイ」とはいったいどのようなものなのでしょう? 「ニオイ」が発生するメカニズムを見てみましょう。

ニオイ? 臭い? 匂い?

ニオイは、大気中に浮遊している目には見えない物質が、人間の鼻にある嗅覚を刺激して起こる感覚です。
一般的に、不快に感じるニオイを「臭い」、快く感じるニオイを「匂い」と表現します。ここでも同様に不快に感じるニオイを「臭い」、不快ではないニオイを「匂い」と分けて表します。

実は、世の中に存在する有機物質の実に1/5ほどの種類がニオイを持っているとされています。これらの物質が組み合わさって大気中に存在することで、ニオイ物質となり、人の嗅覚に刺激を与えるのです。ニオイ物質はとても小さい分子量なので、大抵の場合は大気中にガスのような状態で浮遊しています。

体臭の原因となるのは皮脂や汗

気になる体臭の場合、ニオイ物質の主な原因となるのは皮脂や汗です。皮脂や汗は分泌されたときにはほぼ無臭です。
ところが、時間の経過とともに、常に皮膚上に存在している雑菌(皮膚常在菌)が皮脂や汗に含まれているたんぱく質、脂質などの成分を酸化、分解し、ニオイ物質を含むガスを発生させるのです。これらが人間の嗅覚を刺激し、体臭を感じるのです。

さまざまな種類がある体臭

体臭の元ととなるニオイ物質は100種以上確認されていますが、皮脂や汗の成分によって、ニオイ物質、すなわち臭いも変わってきます。
例えば、人間の汗腺には全身に存在するエクリン腺と特定の部位に集中するアポクリン腺の二種類が存在します。
足の裏はエクリン腺が多く、靴下や靴などで密閉状態であることから、イソ吉草酸というニオイ物質が発生します。
また、アポクリン腺が多い脇では、3-メチル-2ヘキセン酸という独特のニオイ物質が発生します。これらが嗅覚に与える刺激がそれぞれの部位に独特の体臭となって感じられるのです。

時に体臭は人を惹きつける!?

古くからアポクリン腺から出る汗のニオイは、異性を惹き寄せると考えられてきました。フェロモンに似た効果があると言われています。
心地良く感じる体臭を持つ異性は、生物学的に相性が良い個体であるとの研究結果もあり、相性の良い個体を見つけるために、体臭が重要な手がかりとなるという説もあります。
不快なものとされやすい体臭ですが、ときに異性を惹きつける魅力にもなるのです。

悪臭を規制する法律も存在する

アンモニア(尿臭)やノルマル酪酸(汗くさい臭い)、イソ吉草酸(足の臭い)といったニオイ物質は、悪臭防止法で規制されています。工場などの事業所が周辺住民への悪影響を最低限に抑えるため、これらのニオイ物質の発生量を基準以内に収めるよう法律で厳しく取り締まっています。

時には異性を引きつける魅力となり、時には法律で規制されるほど生活に悪影響を及ぼすニオイ。
体臭は一般的に皮脂分泌の多い男性の方が強いと言われますが、食事や入浴方法、生活習慣によって改善することができます。
周囲の人たちに不快感を与えないよう、ニオイと上手に付き合っていきましょう。